秋に注意すべき呼吸器疾患TOP5は? 季節の変わり目に増える病気と対策
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- コラム
秋は、昼夜の気温差や空気の乾燥、花粉の影響などで体調を崩しやすい季節です。特に呼吸器系は影響を受けやすく、さまざまな疾患が流行したり、持病が悪化したりする時期でもあります。
この記事では、毎年9月〜11月にかけて注意すべき 呼吸器疾患TOP5 をご紹介します。症状の特徴や予防法を知って、秋を元気に乗り切りましょう。
秋に注意すべき呼吸器疾患第1位:インフルエンザ
インフルエンザは例年11月〜3月に流行しますが、早い年は10月から感染報告が増え始めます。学校や職場など集団生活を通じて一気に広がるのが特徴です。
冬に注意すべきだというイメージがある方も多いですが、感染報告は秋から増加しますので、早めの対策を心がけるようにしてください。
インフルエンザの主な症状
- ・38℃以上の急な高熱
- ・頭痛・筋肉痛・全身の強いだるさ
- ・咳やのどの痛み
インフルエンザ予防のポイント
- ・予防接種は10月から開始:流行前にワクチン接種を受けておくことが重要です。
- ・基本の感染対策:手洗い、うがい、マスクの着用、十分な睡眠。
- ・特に高齢者や基礎疾患がある方は重症化しやすいため、早めの受診を心がけましょう。
秋に注意すべき呼吸器疾患第2位:マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は小児から若年層に多く、例年9月〜10月ごろに流行が目立ちます。普通の風邪とは異なり、咳が長引くのが特徴です。
咳が続いているけれど我慢して放置してしまっている、という方も多いですが、肺炎症状は悪化すると重症化する恐れがあるため、気になる症状が出た場合はなるべく早く医療機関に相談されることをおすすめします。
マイコプラズマ肺炎の主な症状
- ・2〜3週間続くしつこい咳
- ・発熱(微熱〜高熱)
- ・全身の倦怠感
マイコプラズマ肺炎予防のポイント
- ・人混みではマスクを着用し、手洗いを徹底。
- ・咳が2週間以上続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。
- ・一部の抗生物質が効きにくい場合もあり、自己判断で市販薬に頼らず、専門医の診断が必要です。
秋に注意すべき呼吸器疾患第3位:RSウイルス感染症
RSウイルスは乳幼児に多くみられる感染症で、毎年夏〜秋に流行します。大人が感染しても軽症で済むことがありますが、赤ちゃんにうつると重症化する可能性があります。
ご家庭に幼稚園に通われている幼児がいる場合は、園内で流行したウイルスを家庭に持ち込んでしまい、赤ちゃんに移すケースが多々ございますので、一層注意が必要です。
現在は、妊娠28週〜36週の妊婦さん向けにRSウイルスワクチンの接種も可能です。感染リスクが高いご家庭や、RSウイルスによる重症化を防ぎたい方はワクチン接種も積極的にご検討ください。
■RSウイルスワクチンの詳細はこちら
RSウイルスの主な症状
- ・発熱、咳、鼻水
- ・呼吸がゼーゼー、ヒューヒューする
- ・重症化すると細気管支炎や肺炎を起こす
RSウイルス予防のポイント
- ・家族内での感染を防ぐために、手洗い・うがい・アルコール消毒を徹底。
- ・乳児がいる家庭では、風邪症状がある家族は接触を控える。
- ・早めに小児科を受診し、必要なら入院管理が行われることもあります。
秋に注意すべき呼吸器疾患第4位:気管支喘息の悪化(秋の喘息)
気管支喘息は、気道が敏感になり炎症を起こす病気です。季節の変わり目に症状が悪化することが多いですが、特に秋は気温差や花粉、台風による気圧変化などの影響で発作が起きやすい時期ですので注意が必要になります。
もともと喘息をお持ちの方や、長引く呼吸器症状にお困りの方は、症状がひどくなる前に早めに検査や治療を受けて対処しておくようにしてみてください。
気管支喘息の主な症状
- ・夜間や明け方に強い咳
- ・ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音
- ・息苦しさ
気管支喘息予防のポイント
- ・定期的に処方された吸入薬を継続使用。
- ・寝具の掃除や空気清浄機の使用でダニ・ハウスダストを減らす。
- ・秋の花粉シーズンは外出時のマスク着用を心がける。
秋に注意すべき呼吸器疾患第5位:秋の花粉症(ブタクサ・ヨモギ花粉)
スギやヒノキの花粉症が有名ですが、秋にもブタクサやヨモギなどの花粉が飛散します。花粉症がある人はもちろん、これまで症状がなかった人でも秋にデビューするケースがあります。
風邪症状はないけれど、毎年この時期にひどい鼻水や咳に悩まされる方、目の痒みも伴うといった方は秋の花粉症を発症している可能性がありますので、アレルギー科にて検査を受けてチェックしてみることをおすすめします。
秋の花粉症の主な症状
- ・くしゃみ、鼻水、鼻づまり
- ・喉や目のかゆみ
- ・咳や喘息の悪化
秋の花粉症予防のポイント
- ・花粉情報をチェックして外出を工夫する。
- ・帰宅後は洗顔・うがいで花粉を落とす。
- ・洗濯物はできるだけ部屋干しにする。
秋の呼吸器疾患、正しい対処と早めの受診を
秋は「感染症」と「アレルギー」の両面から呼吸器疾患が増える季節です。特に小児や高齢者、持病を抱える方はリスクが高いため注意が必要ですので、日常生活から意識して予防策を行うようにしておきましょう。
また、秋の呼吸器疾患は、ご自身の独断で「なんとなくこんな症状かな?」と判断してしまうのは非常に危険です。たいしたことがないと思っていた症状が、重症科につながってしまったというケースも多数ありますので、気になる症状がある方はお早めに医療機関にご受診ください。
大阪梅田にある当院では、呼吸器科とアレルギー科どちらも構え、各種検査機器も充実しておりますので、秋の呼吸器疾患の原因をスムーズに特定することができます。
どなたでもお気軽に当院医師までご相談くださいませ。
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