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血糖値ってどれくらいから注意が必要?血液検査でわかる、糖尿病のサイン

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血糖値を測定し、高い数値が出てしまった患者の様子。
2025.08.13
  • コラム

健康診断や人間ドックの結果で「血糖値が高め」と言われた経験はありませんか?


血糖値は、糖尿病やその予備軍を判断する大切な指標です。早期に異常を察知すれば、生活習慣の改善で進行を防ぐことも可能です。

 

ここでは、血糖値の基準値や注意が必要な数値、血液検査でわかる糖尿病のサインについて解説します。

 

 

血糖値とは

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度を示す値です。ブドウ糖は、食事で摂取した糖質が分解されてできるエネルギー源で、脳や体を動かすために欠かせません。


通常、血糖値は膵臓から分泌されるインスリンによって一定の範囲に保たれています。しかし、食生活の乱れや運動不足、肥満、ストレスなどが原因でインスリンの働きが弱くなると、血糖値が高くなり、糖尿病のリスクが高まります。

 

血糖値の基準値は?

健康診断や血液検査では、主に空腹時血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を測定します。

それぞれの数値の目安は、下記の通りです。

 

空腹時血糖値(FPG)の目安

  • 正常値:70〜99mg/dL
  • 境界型(糖尿病予備軍):100〜125mg/dL
  • 糖尿病型:126mg/dL以上

 

HbA1c(NGSP値)の目安

  • 正常値:5.6%未満
  • 境界型(糖尿病予備軍):5.6〜6.4%
  • 糖尿病型:6.5%以上

※HbA1cは過去1〜2か月間の平均血糖値を反映するため、短期間の食事制限や断食では大きく変動しません。

 

 

注意が必要な血糖値の基準とは?

空腹時血糖値が100mg/dL以上、またはHbA1cが5.6%以上の時点で「将来的に糖尿病を発症する可能性が高い状態」といえます。


特に、以下のような場合は注意が必要です。

  • 健診で毎年、血糖値やHbA1cが少しずつ上昇している
  • 家族に糖尿病の人がいる
  • 内臓脂肪型肥満(メタボ体型)である
  • 高血圧や脂質異常症も併発している

こうした状態を放置すると、糖尿病だけでなく動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの重大な合併症リスクが高まります。

 

 

血液検査でわかる糖尿病のサイン

血糖値やHbA1c以外にも、血液検査から糖尿病の兆候を読み取ることができます。

下記のような項目に引っかかっている方も、糖尿病リスクが高いことが考えられますので注意が必要です。

 

  1. 随時血糖値
     食事の時間に関係なく測定した血糖値で、200mg/dL以上は糖尿病型とされます。
  2. インスリン分泌の異常
     HOMA-IR(インスリン抵抗性指数)などで、インスリンが効きにくい状態かをチェックできます。
  3. 中性脂肪やHDLコレステロール
     糖尿病予備軍の段階では、脂質代謝にも異常が出ることが多いです。
  4. 尿糖の有無
     血糖値が高くなると、腎臓で処理しきれずに尿に糖が漏れ出します。

 

 

糖尿病を予防・改善するための生活習慣

血糖値が高めと言われたら、まずは生活習慣の見直しが大切です。

具体的には、下記のような生活習慣の改善をご自身で実践してみてください。日頃の生活習慣が改善されることで、糖尿病リスクは下げることができますので、コツコツ継続して実践してくことが大切です。

 

 

1. 食事の改善

  • 野菜から食べ始め、血糖値の急上昇を防ぐ
  • 白米より玄米や雑穀米、全粒粉パンを選ぶ
  • 甘い飲料や菓子類は控える

 

2. 適度な運動

  • 1日30分程度のウォーキングを週5日以上
  • 食後軽く体を動かすことで血糖値上昇を抑制

 

3. 睡眠とストレス管理

  • 睡眠不足はインスリンの働きを低下させる
  • 深呼吸や趣味の時間でストレスを軽減

 

 

血糖値が高いと思ったら、早めに医療機関へご相談を

糖尿病は、初期には自覚症状がほとんどありません。そのため、いざ自覚症状に気づいたときには糖尿病が進行していることも多いのが怖い病気です。

糖尿病の発症および合併症の予防には、早期発見・早期対応が何よりも重要となります。

 

健康診断等の血液検査で血糖値を指摘されたことがある人、ちょっと基準よりも高めの数値が出たことがある人は、そのまま放置するのではなく医療機関にご相談されることをおすすめします。

 

具体的には、下記のような項目に当てはまる方は再受診をご検討ください。

 

  • ・空腹時血糖値が100mg/dL以上、HbA1cが5.6%以上は注意が必要
  • ・血液検査では血糖値・HbA1cのほか、脂質や尿糖でも兆候がわかる
  • ・食事・運動・睡眠など生活習慣の改善が予防のカギ
  • ・年1回の健診で早期発見を心がける

 

糖尿病は、一度発症してしまうと今後長い期間付き合っていかなければならないですが、血糖値の一時的な数値の上昇は、適切な対策を行えば改善できます。

将来の健康維持のためにも、毎年最低1回の健康診断の受診をはじめとした定期チェックを続けていくように心がけましょう。

 

当院では、健康診断の実施はもちろん、糖尿病内科での検査〜治療まで一貫して行うことが可能です。

糖尿病を疑われたことがある方も、血糖値の高さが気になる方も、お気軽に当院医師までご相談くださいませ。

 

 

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