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健診異常の“再検査”ってどんな状態? 注意すべき検査項目や再検査の重要性について

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健康診断で異常を指摘された女性
2025.08.21
  • コラム

健康診断を受けた後に届く「健診結果」。「A判定」や「異常なし」と並んでいれば安心ですが、何かしらの異常が見つかった際には「要再検査」や「要精密検査」といった判定が記載されることがあります。

「自覚症状はないのに、本当に再検査が必要なの?」と疑問に思い、ついつい再検査を後回しにする方も多いのが現状です。

しかし、再検査の実施は病気の早期発見・早期治療のきっかけとなり、その後の健康を大きく左右する可能性があります。

 

今回は、健診で異常が見つかったときに行う「再検査」について、詳しく解説します。

 

 

健康診断結果における「再検査」とは?

健康診断は病気の早期発見を目的としていますが、健診結果の数値だけで確定診断できるわけではありません。

例えば、以下のような要因によって数値に異常をきたすこともあります。

  • 一時的な体調不良や生活習慣の影響
    前日の飲酒や寝不足、ストレスなどで血圧や血糖値が一時的に上昇することがあります。
  • 検査精度の影響
    検査機器や採血条件によって誤差が出る場合もあり、1回の健診だけでは判断が難しいケースもあります。

 

そのため、「要再検査」とは、もう一度検査を行って本当に異常があるのかを確認するプロセスなのです。再検査の結果で異常がなければ、その後は通常通りの健康管理で問題ありませんので、再検査を行うことで自分の中の不安要素を取り除くことにもつながります。

 

 

「再検査」と「精密検査」の違い

健診結果には「要再検査」だけでなく「要精密検査」と記載されることがあります。この二つは混同されがちですが、それぞれの意味は下記のとおり異なります。

  • 要再検査
    → 異常の可能性があるため、同じ検査をもう一度受けて確認する。
    (例:血糖値が一時的に高い、尿検査で蛋白が出たなど)
  • 要精密検査
    → 明らかな異常が見つかったため、より詳しい検査を専門的に受ける必要がある。
    (例:胸部X線で影が見つかり、CT検査を勧められる)

つまり「再検査」は異常があるかどうかの「確認」のための検査であり、「精密検査」は異常が見つかった上で、具体的な病気の診断を「確定」するための検査であるという違いがあります。

 

 

再検査が必要とされる代表的なケース

健康診断では全身のさまざまな部分を検査しますが、再検査項目としては、下記のような項目が引っかかりやすい方が多いです。

 

血液検査

  • 血糖値・HbA1c:糖尿病の疑い
  • コレステロール・中性脂肪:脂質異常症の可能性
  • 肝機能(AST、ALT、γ-GTP):肝炎や脂肪肝の疑い

 

尿検査

  • 尿蛋白:腎臓病や高血圧の可能性
  • 尿糖:糖尿病の疑い
  • 尿潜血:膀胱炎や尿路結石、がんの可能性

 

画像検査

  • 胸部X線で影がある:肺炎や肺がんの可能性
  • 心電図の異常波形:不整脈や虚血性心疾患の疑い

 

これらの数値異常は、放置しておくと命に関わる病気が隠れていることもあります。そのため、自己判断で「大丈夫だろう」と決めつけるのは非常に危険です。

再検査を指摘された場合には、必ず医師の指示に従うことが大切になります。

 

 

再検査はいつ受けるべき?

健診で「要再検査」と出た場合は、次回の健診まで待つのではなく、できるだけ早めに受けるのが望ましいです。

一般的に多くのクリニックでは「1~3か月以内に再検査を」と案内されますが、またそのうち受けようと後回しにしてしまいがちですので、診断結果を受け取ったタイミングで再検査の受診予約を済ませておくことをおすすめします。

 

また、項目によっては「すぐに受診してください」と記載される場合もあります。このように再検査の日程を具体的に指示された場合は、病気の進行や悪化が懸念されるケースが考えられますので、必ずそのタイミングで受診するようにしてください。

 

 

再検査を受けるときの準備

再検査を受ける際には、以下の点を押さえておくと安心です。

 

  1. 健診結果を持参する
    → どの項目が異常だったのかを医師に正確に伝えるために必要です。
  2. 生活習慣を整えて臨む
    → 前日は飲酒や過度な運動を避け、十分な睡眠をとるようにしましょう。
  3. 空腹が必要な場合は指示に従う
    → 血糖値や中性脂肪などは空腹時採血が必須です。検査前12時間は絶食しましょう。
  4. 服薬や持病について伝える
    → 薬の影響で数値が変化することがあるため、必ず事前に申告してください。
  5. 記録を残す
    → 日常の血圧測定や体調の変化をメモして持参すると診察がスムーズになります。

 

 

再検査を受けないとどうなる?

再検査と診断されても、「自覚症状がないから」「体調に異常がないから」などと放置してしまう方も少なくありません。

しかし、再検査を受けずに放置してしまうと下記のようなリスクがあります。

 

  • 生活習慣病が進行し、動脈硬化・脳卒中・心筋梗塞につながる
  • 腎疾患や肝疾患が悪化して、透析や肝硬変の原因になる
  • がんが進行してから発見されるリスクが高まる

 

再検査は決して余計な検査ではなく、病気を早期に食い止めるための大切なステップです。放置するのではなく、必ず再検査の受診を心がけてください。

 

 

再検査はどこで受ければいい?

健康診断の再検査を受診する場合は、基本的に以下の場所で受けられます。

 

  • 健康診断を受けた医療機関
  • かかりつけ医
  • 専門科があり、検査設備が整った医療機関(内科・消化器内科・循環器内科など)

 

健診を行った医療機関が、健診専門の機関である場合は受診が難しいですが、診察設備を構えているクリニックであれば、そのまま同じ医療機関で再検査できることも多いです。

ご自宅や職場の近くにかかりつけ医がある方は、そちらにまずは相談されるのも良いでしょう。

 

また、引っかかった検査項目に対してより専門的な診療をスムーズに受診するためには、循環器科・呼吸器科といった専門科を構えているクリニックもおすすめです。そのようなクリニックであればエコー検査やCT検査といった各分野の検査機器が充実していることも多いですので、より精密な検査をスムーズに受診しやすくなります。

 

 

再検査の早期受診が、未来の健康へとつながる

健康診断で「要再検査」と判定されると、不安になったり「本当に必要なの?」と感じることもあるでしょう。しかし、再検査は病気を早期に発見し、重症化を防ぐために欠かせないものです。


健診結果を正しく受け止め、必要に応じて再検査を受けることが、将来の健康を守る第一歩となります。

 

当院では、健康診断の実施から再検査の受診、治療まで一貫して院内で対応しております。

内科をはじめ、呼吸器科や循環器科、糖尿病内科、甲状腺内科などの専門科を構え、CT機器やエコー機器等の検査機器も取り揃えているため、即日検査が可能です。

 

他院での健診を受診された方でも安心して再検査や治療を受けられる体制を整えておりますので、もしも再検査を指摘された場合は、お気軽に当院医師までご相談ください。

 

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