インフルエンザA型・B型・C型のちがいって?原因や症状を解説
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- コラム
毎年、冬にかけて流行するインフルエンザ。
実際にインフルエンザの検査を受ける時に、「A型ですね」「B型ですね」と、型の名前を言われたことがある方も多いかと思います。
この型には、どういった違いがあるのでしょうか?
今回は、インフルエンザA型、B型・C型について、原因や症状の違いを解説していきます。
インフルエンザA型の概要と症状
インフルエンザの中でも、もっとも感染力が高く、重症化しやすいのがインフルエンザA型です。
A型の特徴としては、ウイルス自体が変異を起こしやすいため、一度かかってもまた次の年に感染するといったことが起こりやすいです。
また、ヒト以外でも鳥類をはじめとした動物への感染も確認されます。
症状としては、高熱が出やすく、症状が強いことがA型の最大の特徴です。
潜伏期間は1日〜3日程度で、その後悪寒や発熱、喉の痛み、頭痛といったさまざまな症状を発症します。
高齢者や小さな子どもでは肺炎や脳症などの合併症を引き起こす恐れがありますので、十分な感染対策と早期の治療が重要となります。
インフルエンザB型の概要と症状
インフルエンザB型は、A型ほど急激な症状を発症することは少なく、そのぶん発熱や咳・喉の症状などが長引きやすいのが特徴です。
また、インフルエンザB型はA型と違って、ヒトにしか感染が確認されていません。
症状の特徴としては、A型ほどの高熱は出にくいことと、下痢や嘔吐といった消化器系の不調をきたすことがあるという点が挙げられます。
流行時期も、A型より少し遅れてやってくることがあり、冬だけでなく春〜夏にかけて発症することもあります。
インフルエンザC型の概要と症状
インフルエンザC型はあまり耳にしない方も多いと思いますが、基本的に一度感染すると免疫がついて再感染することがないとされています。
すでに多くの方が免疫をもっている可能性が高く、それゆえにインフルエンザA型・B型のように爆発的な感染を起こすことがない型であるとも言われています。
流行時期としては1月〜6月ごろと長いですので、まだ抗体をもっていない子どもで感染が確認されることがあるものの、重篤な症状を起こすことは稀なため、ただの風邪だと思って知らないうちに治っていたというケースも多くあるのがC型の特徴です。
インフルエンザA型・B型・C型の違いまとめ
上記を踏まえ、インフルエンザのそれぞれの型の違いについて、表にまとめました。
インフルエンザA型 | インフルエンザB型 | インフルエンザC型 | |
ウイルスの特徴 | ・ヒト以外にも感染する・変異型をつくりやすく、感染拡大しやすい | ・ヒトにしか感染しない・変異型はほとんど出ない | ・一度感染すると一生免疫がつく・免疫のない子どもがかかりやすい |
症状の特徴 | ・38〜40度近い高熱や咳、喉の痛み、頭痛、悪寒など、激しい症状が現れやすい | ・38度程度の発熱が出ることはあるが、比較的症状は強くなく、長引きやすい・消化器症状を北しやすい | ・重篤な症状は出にくい・風邪だと思って感染に気づかないことも多い |
流行時期の目安 | 11月〜3月ごろがピーク | 11月〜3月ごろがピークだが、夏にも感染することが多々ある | 1月〜6月ごろがピーク |
インフルエンザの感染を予防するには
インフルエンザは、どの型であっても感染経路は主に飛沫感染と接触感染ですので、感染対策の徹底でインフルエンザ自体の感染を予防することができます。
今日から実践できる感染予防
日常生活から意識して行いたい感染対策としては、
・手洗いうがい
・アルコール消毒
・マスクの着用
・人混みを避ける
・加湿器の使用
といった対策が挙げられます。
飛沫感染・接触感染による感染を防ぐためには、こまめな手洗い・うがい、アルコール消毒は欠かせません。また、身近な人で感染者が出た場合には、お互いがマスクを着用したり、タオル等の共用は避けるなどの工夫が重要です。
また、ウイルス自体は乾燥した空気で繁殖しやすいので、こまめに室内を換気したり、加湿器を使って一定の湿度を保つなどの工夫をすることも大切になります。
インフルエンザワクチンの予防接種を
インフルエンザのワクチン接種は、感染予防のために非常に有効とされています。
特に、おうちに小さなお子さんやお年寄りがいらっしゃる場合は、そういった感染リスクの高い方への感染を防ぐためにも、自分自身がワクチンを打っておくことも重要です。
毎年秋頃からワクチン接種を開始する医療機関も増えていますので、ご検討ください。
なお、当院では2024年10月1日よりインフルエンザワクチンの予防接種を開始します。
65歳以上の大阪市民の方は、定期接種の活用を
大阪市の取り組みとして、令和6年10月1日(火)〜令和7年1月31日(金)の期間、インフルエンザワクチン・新型コロナワクチンの定期接種を実施します。
大阪市インフルエンザ・新型コロナワクチン定期接種の対象者
大阪市民で65歳以上の方が対象です。
もしくは、60〜64歳の方で心臓、腎臓または呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障がいを有する方、もしくはヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障がいを有する方も接種対象となります。
大阪市インフルエンザ・新型コロナワクチン定期接種の費用
新型コロナワクチン:3,000円
インフルエンザワクチン:1,500円
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種:4,500円
なお、市民税非課税世帯の方、生活保護受給者の方等は無料
ご自身とご家族の健康を守るためにも、ぜひ定期接種の活用をご検討ください。
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