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脱水症状を放置すると、どんな病気のリスクがある?

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2025.06.10
  • コラム

梅雨シーズンが始まり、ムシムシと暑い季節がやってきましたね。

これから始まる夏の時期に気をつけたいのが、脱水症状。軽度であれば水分補給で回復することが多いものの、放置してしまうと深刻な健康リスクを引き起こす可能性があります。

今回は、脱水症状を放置するとどんな病気のリスクがあるのかを詳しく解説し、予防方法や初期対応についてもご紹介します。

 

脱水症状とは?

脱水症状とは、体内の水分や電解質(ナトリウム・カリウムなど)が不足した状態を指します。人間の体の約60%は水分で構成されており、水分は体温調節や栄養素の運搬、老廃物の排出などに不可欠です。

脱水症状には以下のような原因があります。

  • 発汗による水分喪失(運動・高温環境)
  • 下痢や嘔吐
  • 発熱
  • 利尿薬や糖尿病による多尿
  • 高齢者の水分摂取不足

軽度の脱水では、喉の渇きや尿の量・色の変化などが見られますが、放置すると深刻な病気に発展する危険性があります。

 

脱水を放置すると起こる5つの重大リスク

脱水症状を放置してしまうと、下記のような疾病リスクが上がってしまい、非常に危険です。

 

1. 熱中症のリスク増加

脱水状態が続くと、体温調節機能が正常に働かなくなり、熱中症を引き起こすリスクが高まります。特に真夏や運動中は注意が必要で、重度になると意識障害や臓器不全を招く可能性があります。

■対策:こまめな水分補給と塩分補給を意識しましょう。喉が渇く前に飲むことがポイントです。

 

2. 尿路結石・腎臓病のリスク

水分不足は尿の濃縮を招き、尿路結石の原因になります。腎臓への負担も大きくなり、長期的には慢性腎臓病のリスクも高まります。

■対策:水分をしっかり摂ることで尿の排出を促し、結石の形成を防げます。

 

3. 脳梗塞や心筋梗塞のリスク増加

体内の水分が不足すると、血液がドロドロになり、血栓ができやすくなります。この状態が続くと、脳梗塞心筋梗塞といった命に関わる病気のリスクが高まります。

特に高齢者や心疾患・高血圧を持つ方は注意が必要です。

■対策:朝起きた直後や運動後、入浴前後などは意識して水分補給を行いましょう。

 

4. 認知機能の低下・意識障害

重度の脱水になると、脳への血流が不足し、認知機能の低下意識障害を引き起こすことがあります。高齢者にとっては特にリスクが高く、脱水が原因で認知症様の症状が出ることもあります。

■対策:高齢者や介護中の方には、こまめに水分を摂ってもらうよう声かけや献立の工夫が大切です。スープや味噌汁などの汁物を積極的に取り入れることも良いでしょう。

 

5. 消化器系の不調・便秘

水分が足りないと、腸内の水分量も減少し、便が硬くなって便秘を引き起こす原因になります。また、消化不良や腹痛の原因にもつながります。

■対策:水や白湯といった水分補給だけでなく、スープ類や水分を含む果物・野菜を多めに摂取することで、無理なく自然な水分補給につながります。

 

特に注意が必要な人は?

脱水症状は誰にでも起こり得ますが、特に以下の人々は重症化しやすいため注意が必要です。

  • 高齢者:喉の渇きを感じにくくなっており、水分摂取が少ない傾向がある。
  • 乳幼児:体内の水分割合が多く、脱水の進行が早い。
  • 糖尿病患者:多尿により水分が失われやすい。
  • スポーツをする人:大量の汗をかくため水分・電解質の喪失が大きい。

 

脱水の初期サインは?チェックリスト

以下のような症状がある場合、脱水のサインかもしれません。多く当てはまれば当てはまるほど、脱水症状が進行していることも疑われます。

 

  • 喉が渇く
  • 尿の色が濃く、量が少ない
  • めまい・立ちくらみ
  • 頭痛
  • 口の中が乾燥している
  • 倦怠感・集中力低下

これらのような症状が現れたら、すぐに水分補給を行いましょう。その際には、ナトリウム等のミネラルが含まれた経口補水液やスポーツドリンクがより効果的です。

 

脱水症状は放置せず、早めの対処を

脱水症状は「たかが水分不足」と軽視されがちですが、放置すると熱中症や脳梗塞、腎臓病など命に関わる重大な病気を引き起こすリスクがあります。

日頃からこまめな水分補給を心がけることと、脱水の兆候に早く気づくことが最大の予防策となります。

特に暑い日や体調不良時、高齢者や子どもがいる家庭では十分な注意が必要です。

 

脱水症状に関する不調や違和感を感じられた際は、当院の内科でも診療を行っております。

各種検査機器や点滴治療にも精通しておりますので、検査や治療が必要とされた場合でも安心して通院いただけます。

お困りの方は、お気軽に当院医師までご相談ください。

 

よくある質問(FAQ)

Q. コーヒーやお茶での水分補給はOK?
A. カフェインには利尿作用があるため、純粋な水や麦茶、経口補水液、スポーツドリンク等がおすすめです。

Q. 一日にどれくらい水を飲めばよい?
A. 一般的に1.5〜2リットルが目安ですが、気温や活動量によって水分量は調整が必要です。

Q. 脱水症状になったら何を飲めばいい?
A. 軽度であれば水やスポーツドリンク、経口補水液を摂取してください。重度の場合は速やかに医療機関へご受診ください。

 

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