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高血圧の基準と受診目安、自宅でできる対処法について

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血圧を測定し、高い数値が出た男性に適切なアドバイスを行う医療スタッフの様子。
2025.09.11
  • コラム

「最近、血圧が高めに感じる」

「健康診断で高血圧に注意するように言われた」

健康診断を受診していると、そういった高血圧に関する指摘を医師から受けたことがある方もたくさんいらっしゃるかと思います。

高血圧は自覚症状が乏しい一方で、放置すると脳卒中や心筋梗塞、腎臓病などの重大な病気につながるリスクがあります。

危険な病気を発症する前に、どの程度の血圧で受診すべきかや、自宅でできる対処法を知っておくことはとても大切です。

今回は、高血圧の受診目安と生活習慣の工夫について、分かりやすく解説します。

高血圧の基準とは

高血圧は、血管内の圧力が慢性的に高い状態を指します。日本高血圧学会の基準では、以下の数値が診断の目安となります。

正常血圧   :120/80 mmHg 未満

正常高値血圧 :120〜129/80 mmHg 未満

高値血圧   :130〜199/80〜89 mmHg

高血圧(Ⅰ度):140〜159/90〜99 mmHg

高血圧(Ⅱ度):160〜179/100〜109 mmHg

高血圧(Ⅲ度):180/110 mmHg 以上

特に140/90 mmHg以上が繰り返し確認される場合は「高血圧」と診断され、医療機関での評価が推奨されます。

高血圧で受診すべき目安

実際に高血圧の数値が出た際は、すぐさま受診を考えるべきなのかどうか悩む方も多いです。

すでにかかりつけ医などがいる場合は、なるべく早く相談することをおすすめしますが、普段かかりつけ医をつくっていなくて受診すべきか悩んでいる場合は、下記の項目に当てはまるかどうかを受診の目安にしてみてください。

1. 健康診断で高血圧を指摘された場合

会社や自治体の健康診断で、血圧が高いと記録された場合は、必ず一度医療機関を受診しましょう。「健診だけでたまたま高かったのかも」と自己判断して放置するのは危険です。

2. 自宅測定で繰り返し高値が出る場合

家庭用血圧計で、朝・晩2回の測定を数日続けて140/90 mmHg以上が確認される場合は、受診をおすすめします。特に朝の血圧が高い方は心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるとされます。

3. 突発的に極端に高い数値が出た場合

  • ・180/110 mmHg以上
  • ・頭痛・めまい・胸痛・息切れ・視覚異常などの症状を伴う

このような場合は「高血圧緊急症」と呼ばれ、脳や心臓にダメージを与える危険があります。すぐに救急外来を受診してください。

 

自宅でもできる高血圧対策

受診が必要なケースを理解した上で、日常生活でできる血圧コントロールも実践していきましょう。以下は自宅で取り組める主な対策です。

 

1. 減塩を意識する

日本人は塩分摂取量が多い傾向にあり、高血圧の大きな要因です。目安としては1日6g未満

  • ・加工食品やインスタント食品を控える
  • ・醤油やソースは「かける」ではなく「つける」
  • ・香辛料やレモン汁で味に変化をつける

といった工夫が有効です。

 

2. 適度な運動を習慣にする

有酸素運動は血圧を下げる効果が期待できます。

  • ・ウォーキングやサイクリングを1日30分程度、週5日
  • ・階段を使うなど日常に取り入れる

激しい無酸素運動や急な負荷は血圧を上げるので注意しましょう。

 

3. 体重管理

肥満は高血圧のリスクを高めます。特に内臓脂肪型肥満は要注意。BMIが25を超えている方は、まずは体重の3〜5%減量を目指すと血圧改善につながりやすいです。

 

4. アルコール・喫煙の見直し

  • ・アルコールは1日ビールなら中瓶1本程度まで
  • ・喫煙は血管を収縮させるため、禁煙が推奨されます

 

5. ストレス対策と睡眠

慢性的なストレスや睡眠不足は自律神経を乱し、血圧上昇を招きます。

  • ・深呼吸やストレッチを取り入れる
  • ・睡眠は7時間前後を目安に

 

家庭での血圧測定のポイント

自宅での血圧測定は、高血圧の管理に非常に有用です。

  • ・朝:起床後1時間以内、排尿後、朝食前、服薬前
  • ・夜:就寝前

それぞれ1回ずつ測り、数日間の平均を記録すると正確に把握できます。単発の数値に一喜一憂せず、トレンドを見ることが大切です。

 

高血圧は、自覚症状のないうちに対処することが大切

高血圧は放置すると深刻な病気につながる可能性があります。

 

  • 健診で指摘された
  • 自宅で140/90 mmHg以上が続く
  • 180/110 mmHg以上や症状を伴う場合

これらのケースでは、必ず受診を検討してください。

 

同時に、減塩・運動・体重管理・生活習慣の改善を日常的に取り入れることで、血圧は着実にコントロールできます。

「血圧が高めかな」と思ったら、早めの対応と毎日の工夫で、将来の健康リスクを防ぎましょう。

 

当院では、循環器科を構えており、高血圧の検査・治療やそれに伴う血管や心臓の疾病リスクにも対応することが可能です。

胸部CTやエコー機器も完備しておりますので、総合病院に行かなくてもスムーズに精密な検査を実施することができます。

もし異常が見つかったりより専門的な医療が必要だと判断した場合は、近隣の総合病院とも連携しておりますので、高血圧でお悩みの方はお気軽に当院医師までご相談ください。

 

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