羽毛布団で肺炎に?!慢性過敏性肺炎に要注意
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- コラム
肺炎と聞くと、風邪をこじらせてしまったり、感染症にかかってしまったりしたときに引き起こされる病気だというイメージが強いですが、実は日常生活の中にも肺炎の発症リスクはたくさん潜んでいます。
今回は、日常生活の中で知らず知らずに発症しているケースが多い「慢性過敏性肺炎」について解説していきます。
慢性過敏性肺炎とは
特定の物質を一定期間繰り返し吸い込んでしまうことにより肺に強い炎症を起こす疾患です。
繰り返し発症しながら症状が悪化していくケースと、自覚症状があまりないまま徐々に悪化することで診断自体が遅れてしまうケースがあるため、単なるアレルギーかな?と勘違いしてしまう人もいらっしゃいます。
また、時間とともに肺の繊維化が伴い重症化する場合もありますので、注意が必要な疾患となります。
慢性過敏性肺炎は、羽毛布団も原因に
慢性過敏性肺炎は、微細な抗原を繰り返し吸い込むことで発症します。
エアコンや加湿器などに含まれるカビや自宅・職場のホコリも原因物質の一つとして挙げられますが、なかでも鳥の羽毛や糞に含まれるタンパク質が原因で慢性過敏性肺炎を引き起こしている方が非常に多いという調査が出ています。
かつては、インコやオウムをペットとして飼っている方や、養鶏場で仕事をされている方の発症が多かったことから「鳥飼病」と呼ばれていたのですが、近年では羽毛布団やダウンジャケットなどを自分や同居者が着用している場合にも、症状を発症していることが分かってきました。
冬〜春先にダウンジャケットや羽毛布団を使うことが多く、呼吸器症状が春になっても治らず困っているという方は、もしかすると慢性過敏性肺炎を引き起こしている恐れがあります。
違和感を感じたら、早めに呼吸器科へ受診を
慢性過敏性肺炎は、症状が進行すると肺が繊維化する恐れもある危険な疾患です。
症状を放置して慢性化してしまうと、抗原を身の回りから取り除くだけでは症状は完治しません。ステロイド剤や免疫抑制剤で炎症を抑える治療をしたり、肺の繊維化を抑える薬を使用したりといった、長期間の治療が必要になる場合があります。
重症化を防ぐためにも、なるべく呼吸器に違和感を感じた時点で、お早めに医療機関にご相談ください。
当院では呼吸器科を構えており、慢性過敏性肺炎をはじめとした肺疾患の診断・治療を実施しております。
院内に胸部CTや呼吸機能検査機器も導入していますので、即日検査で迅速な診断が可能です。
また、当院での診断結果により、より高度な治療や入院措置等が必要だと判断した場合は、近隣の医療機関との提携も行っております。
咳や息苦しさなどでお困りの方は、まずはお気軽に当院までご相談ください。
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