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貧血と脳貧血の違いとは?予防法や対処法を紹介

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貧血で不調の女性と、脳貧血でめまいを起こす女性の様子。
2025.10.01
  • コラム

「貧血」と「脳貧血」という言葉は、日常生活の中で耳にすることが多いですが、実際には全く異なる仕組みで起こる症状です。

どちらも似たような名前を持つため混同されやすいものの、原因や対処法は大きく違うため、対処法や予防法も異なります。

 

今回は、貧血と脳貧血の違い、症状の特徴、予防法や対処法について詳しく解説します。

 

 

貧血とは?

貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビンが不足してしまい、体の各組織に十分な酸素が行き渡らなくなる状態を指します。血液検査でヘモグロビン濃度が基準値より低い場合に診断されます。

 

貧血を起こす主な原因

  • 鉄欠乏性貧血:鉄分不足が最も多い原因
  • 出血:生理や胃潰瘍、痔などによる慢性的な出血
  • 栄養不足:ビタミンB12や葉酸の欠乏
  • 慢性疾患:腎臓病やがんなどによる二次性の貧血

 

貧血の主な症状

  • ・顔色が悪い、肌が青白い
  • ・動悸や息切れ
  • ・めまい、立ちくらみ
  • ・疲労感や集中力の低下
  • ・爪の変形(スプーン状爪)

 

貧血は慢性的に進行することが多いため、自覚症状が出にくいのが特徴です。問題ないと思っていても、職場や学校の健康診断で初めて指摘されるという人も少なくありません。

 

脳貧血とは?

脳貧血とは、医学的には「起立性低血圧」や「神経調節性失神」と呼ばれるもので、一時的に脳への血流が不足することでめまいや失神が起こる症状を指します。

貧血(血液中のヘモグロビン不足)とは異なり、血液の成分には問題がないケースが大半です。

 

脳貧血の主な原因

  • ・急に立ち上がったときに血圧が下がる(起立性低血圧)
  • ・長時間立ちっぱなしによる血液の停滞
  • ・強い緊張やストレス
  • ・睡眠不足や過労
  • ・脱水や食事不足

 

脳貧血の主な症状

  • ・立ちくらみ、めまい
  • ・目の前が暗くなる
  • ・耳鳴りや吐き気
  • ・意識を一時的に失う(失神)

 

脳貧血は一過性の症状として現れやすく、横になったり座ったりして安静にすると回復することが多いのが特徴です。

 

貧血と脳貧血の違い

項目貧血脳貧血
原因血液中のヘモグロビン不足一時的な脳血流不足
発症の仕組み酸素を運ぶ能力が低下血圧や自律神経の変化で血流が減少
主な症状慢性的な疲労感・顔色不良・息切れ突然のめまい・立ちくらみ・失神
診断方法血液検査でヘモグロビンを測定問診、血圧測定、心電図など
対処法栄養補給・基礎疾患の治療安静・生活習慣の改善

脳貧血と貧血は、名前自体は似ているものの根本的な仕組みが異なるため、「貧血=脳貧血」ではないという点を理解しておくことが大切です。

 

貧血の予防法と対処法

貧血は血中のヘモグロビンや赤血球を増やすための予防法を実践したり、必要に応じて鉄剤などのお薬を服用することで症状が改善しやすくなります。

 

  1. 鉄分を意識した食事
    • レバー、赤身肉、マグロ、カツオ、ほうれん草、ひじきなど
    • ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が向上
  1. ビタミンB12・葉酸の摂取
    • B12:魚介類、卵、乳製品
    • 葉酸:緑黄色野菜、納豆、枝豆
  1. 定期的な健康診断
    • 自覚症状がなくても、血液検査でチェックすることが重要
  1. 医療機関の受診
    • 貧血が疑われる場合は内科や血液内科で精密検査を受ける

 

 

脳貧血の予防法と対処法

脳貧血は、自律神経の乱れや血圧の急激な変化によって症状が起こりやすくなるとされていますので、生活リズムを整えたり不調を感じた時には無理をしないなどの体調管理の工夫を心がけてみてください。

ただし、何度も同じ症状を繰り返す場合は他の病気が隠れている恐れもありますので、早めの受診をおすすめします。

 

  1. 急に立ち上がらない
    起床時や長時間座っていた後は、ゆっくり動作する
  2. こまめな水分補給
    脱水状態を避けることが大切
  3. 規則正しい生活
    睡眠不足や疲労をためない
    ストレスをためすぎない
  4. 失神しそうなときの対処
    しゃがむ、頭を低くするなどで脳への血流を確保
    安静にして数分休むと改善することが多い
  5. 症状が頻発する場合は医療機関へ
    起立性低血圧や不整脈など、循環器系の病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。

 

貧血か脳貧血か、正しい判断と適切な予防を

貧血と脳貧血は、名前は似ておりどちらも「めまい」や「立ちくらみ」が症状として出るため混同されやすいですが、原因や対処法は大きく異なります。

貧血は、血液中の酸素を運ぶ能力が低下する病気で栄養不足や出血が原因となる一方、脳貧血は一時的に脳への血流が減少することで起こり、失神や立ちくらみを伴うことがあります。



それぞれ日常生活で予防を心がけることはもちろん、症状が繰り返し起こる場合や生活に支障をきたす場合は、早めに医療機関を受診して正しい診断と治療を受けることが大切です。

 

当院では、貧血および脳貧血に関する診察・検査・治療に対応しております。

貧血の場合は鉄剤の処方や注射治療を実施したり、脳貧血の場合は循環器系の病気が隠れていないかエコー検査やCT検査を用いた精密検査を実施したりすることも可能です。

 

必要に応じて近隣の総合病院を紹介することも可能ですので、不調でお困りの方は放置せずお気軽にご相談ください。

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