ご予約

経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト®︎」とは?特徴とメリット・注意点

column

経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト®︎」と不活化インフルエンザワクチンについて示している画像
2025.09.18
  • コラム

インフルエンザワクチンといえば、一般的には腕に注射する「不活化ワクチン」が広く知られています。しかし、注射ではなく鼻から投与するタイプのワクチンも存在します。それが「フルミスト®︎(FluMist®)」と呼ばれる経鼻インフルエンザワクチンです。

日本では2023年に承認され、2024/25年シーズンから接種が可能となりました。

本記事では、フルミスト®︎の仕組みや特徴、メリットや注意点について詳しく解説します。

 

経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト®︎」の基本情報

フルミスト®︎は、弱毒化されたインフルエンザウイルスを使用した生ワクチン(経鼻噴霧型)です。通常の注射ワクチンは「不活化ワクチン」といってウイルスを完全に殺したものを体内に入れて免疫をつけますが、フルミスト®︎は弱毒化した生きたウイルスを鼻腔に噴霧し、自然感染に近い形で免疫を誘導します。

 

  • 接種方法:鼻にスプレーを噴霧
  • 対象年齢:2歳以上19歳未満(日本での適応)
  • 承認状況:2023年に日本で承認、2024/25シーズンから接種開始
  • ワクチン型:3価(A型2種+B型1種)

 

経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト®︎」のメリット

 

  1. 注射の痛みがない
    子どもや注射が苦手な人にとって大きな利点です。
  2. 鼻粘膜で免疫を獲得できる
    鼻や喉の粘膜でIgA抗体が作られるため、インフルエンザウイルスの侵入を初期段階でブロックしやすくなります。
  3. 自然感染に近い免疫応答
    生ワクチンであるため、より強い免疫反応が期待でき、発症予防効果が高いとされています。

 

経鼻インフルエンザワクチンと不活化ワクチンの比較

現在日本で広く接種されている不活化ワクチンと、経鼻ワクチンのフルミスト®︎にはそれぞれ特徴があります。以下に比較表をまとめます。

 

項目フルミスト®︎(経鼻ワクチン)不活化ワクチン(注射型)
ワクチンの種類弱毒化生ワクチン不活化ワクチン
接種方法鼻腔にスプレー噴霧皮下注射または筋肉注射
適応年齢2〜18歳(国内承認)2〜49歳(当院では任意接種可)生後6か月以上の全年齢
獲得される免疫粘膜免疫(IgA抗体)+全身免疫主に全身免疫(IgG抗体)
接種回数1回(基本)年齢によって1〜2回
メリット注射不要、自然感染に近い免疫反応対象年齢が広く、安全性が確立
デメリット対象者の年齢が限定される注射の痛みがある

 

このように、フルミスト®︎は注射不要で自然な免疫を獲得しやすい点が大きな魅力であり、注射が苦手な方や小さなお子様を中心に接種されることが多いです。

 

経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト®︎」を選ぶ際のポイント

フルミスト®︎と不活化ワクチンのどちらを選ぶかは、以下のポイントを参考にすると良いでしょう。

 

  • 年齢による適応
    フルミスト®︎は現在、国内承認が下りているのは2〜18歳であり、19歳以上や乳児は不活化ワクチンを選択することが多くなっています。しかし海外では大人の方も安全にフルミストを接種できていることから、当院では大人の方(2〜49歳)への任意接種もご用意しております。
  • 健康状態
    喘息や免疫抑制状態、妊娠中の方はフルミスト®︎を接種できません。基礎疾患のある場合は事前に医師に確認しておくようにしましょう。
  • 接種方法の違い
    注射が苦手な子どもにとって、鼻から投与できるフルミスト®︎は心理的負担を減らす大きなメリットになります。

  • 接種可能な医療機関
    フルミスト®︎は、接種できる医療機関が限られています。予約や対応施設を事前に確認しておきましょう。

 

経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト®︎」の注意点・副反応

便利で効果的な一方で、フルミスト®︎には注意すべき点もあります。

 

  • 接種できない人がいる
    • 2歳未満の乳幼児
    • 喘息や呼吸器疾患のある子ども
    • 妊婦や免疫抑制状態にある人
  • 副反応の可能性
    発熱、鼻づまり、咽頭痛、頭痛などの軽い症状が出ることがあります。

 

しかし、どのようなワクチンでも副反応が起こる可能性はありますし、重篤な副反応を起こすことは稀です。念のため、事前に知識をつけておくことが大切となります。

 




日本でのフルミスト®︎導入状況

フルミスト®︎は2023年に国内で製造販売承認を取得し、2024/25シーズンから実際に使用が始まりました。これにより、日本でも注射が苦手な子どもを中心に、新しい選択肢が提供されています。

 

一方、フルミスト®︎は不活化ワクチンと比べて対象年齢が限られていたり、免疫抑制状態にある人には使えないといった制約があるため、事前に医師と相談のうえで適切に接種を行うことが重要です。

また、現在日本国内ではフルミスト®︎の対象年齢は2〜19歳未満が対象となっておりますが、海外では49歳以下の方に対しても安全に使用されています。

 

経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト®︎」の活用を

フルミスト®︎は、注射ではなく鼻から接種できる経鼻インフルエンザワクチンです。

対象年齢に制限はあるものの、痛みがなく、粘膜免疫を誘導できるという大きな利点があるため、特に小さなお子様にはおすすめできるワクチンです。

 

日本でもすでに承認されており、2024/25シーズンから接種が本格的に始まっているワクチンのため、安心してご利用いただけます。

 

なお、国内承認の対象年齢としては2歳〜18歳となっておりますが、海外では49歳以下の方を対象に安全なワクチン接種が行われています。

このことから、トラベル外来としてさまざまなワクチンを取り扱い、輸入ワクチンも豊富に接種実績のある当院では、任意接種として2〜49歳以下の方への接種にも対応しております。

小さなお子様のフルミスト®︎接種はもちろん、ご家族みなさまでも接種いただけますのでお気軽に当院医師までご相談ください。

 

 

WEB予約はこちらから

https://web.booking.clius.jp/reserve/4cffa8f6a1d84c1981da2bdfc6b8460c

RECOMMENDおすすめ記事