帯状疱疹ってどんな症状?ワクチンの対象年齢やウイルスの特徴を紹介
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- コラム
神経の流れにそって発疹ができ、強いかゆみや痛みに悩まされる……。
テレビやインターネットで帯状疱疹に関するニュースを目にすることも多いという方も多いのではないでしょうか。
感染後の後遺症の発症率も高い帯状疱疹は、現在非常に注目を集めている疾患の一つです。
今回は帯状疱疹の特徴や症状、効果的な予防法について解説していきます。
帯状疱疹とは
帯状疱疹とは、体内の神経の流れに沿って小さく赤い発疹が現れ、痛みや痺れ、かゆみを伴う症状を発症する病気です。神経症状の程度は幅広く、痛みにほとんど気づかない人もいれば、強い痛みや痺れで日常生活に支障をきたすような場合もあります。
一般的には、背中や胸まわり、腰、顔面の左右どちらか一方に発症することが多いですが、神経が多く通っている場所であれば全身どこでも発疹が現れる可能性があるのが特徴です。
帯状疱疹を発症すると、発疹の痛みやかゆみに悩まされるだけでなく、その後帯状疱疹に感染した患者の2割程度は神経痛などの後遺症を起こすことが報告されています。さらに、稀に神経まひを起こして日常生活が困難になるようなケースもあることから、特に免疫が衰えてくる50歳以上の中高年の方は、十分注意すべき疾患です。
帯状疱疹を発症する原因
帯状疱疹の発症は、小さい頃にほとんどの人がかかっている「水ぼうそう(水痘)ウイルス」が原因です。
一度水ぼうそうにかかったことがあると、体内には水痘帯状疱疹ウイルスが神経奥底に潜んでいる状態になります。自身の免疫力が衰えてきたり、疲れで体力が落ちているときなどにこのウイルスが活性化し、帯状疱疹となって出現することが多いです。
免疫が落ちる原因としては、加齢・ストレス・疲労などが挙げられます。
特に50代から発症率は急増し、80歳になるまでに3人に1人が感染するとも言われているほど、帯状疱疹は身近な病気なのです。
帯状疱疹のよくある症状と合併症
帯状疱疹を発症すると、以下のような症状を発症するケースが多いです。
・背中や腕、胸、腰、顔面などに帯状の発疹が現れる
・発疹部分にかゆみがある
・発疹部分にピリピリとした痛みがある
・発疹部分に痺れがある
発疹は小さな水膨れのようなものが多数発生し、破れてかさぶたになって治っていくまで2週間〜3週間程度かかることが多いです。
また、痛みや痺れ、かゆみの症状は10日前後でピークを迎え、その後徐々に症状が軽快していきます。
しかし、一部の患者では発疹がおさまった後でも痛みや痺れが合併症として現れ、数ヶ月程度症状が続くこともあります。この合併症を「帯状疱疹後神経痛」といい、目や耳、顔などに現れた際には表情を変えたり瞬きをしたりするだけでも痛みや違和感を感じるなど、非常に不快感が強い場合もあります。
ほかにも、顔面神経麻痺や難聴、角膜炎、運動麻痺などの重篤な合併症を引き起こしたり、脳炎や脊髄炎、無菌性髄膜炎といった命に関わる合併症を引き起こすケースも稀に報告されています。
なるべく感染しないこと、感染したと思ったら直ちに治療を行うことが、非常に重要な疾患といえます。
帯状疱疹の治療法とは
帯状疱疹に感染したと思ったら、まずは直ちに医療機関で診察してもらい、治療を開始することがまず第一に心がけるべきポイントです。
まだ大丈夫だろうと放置したり、治療が遅れてしまうと、重篤な合併症や後遺症を発症する恐れがあります。
治療内容としては、基本的には抗ウイルス薬と鎮痛薬の服用で症状の経過観察をしていきます。
症状が重篤な場合には、点滴治療を実施したり、指定の医療機関での入院加療が必要な場合もあります。
また、なるべく患部を刺激しないようにすることも大切です。
市販薬では帯状疱疹に対応しているお薬はありませんので、必ず医師により処方されたお薬を正しく服用することを心がけてください。
帯状疱疹の予防法とは
帯状疱疹を予防するためには、以下のような免疫力を高めるための生活習慣を心がけることが重要です。
・早寝早起きを習慣化する
・3食バランスの良い食事をとる
・適度な運動習慣をつける
・ストレスをためないよう、気分転換できる趣味を見つける
・体を冷やさないようにする
また、50歳以上になると帯状疱疹の感染者が急増していることから、帯状疱疹ワクチンの接種もご検討ください。
ワクチン接種によって感染リスクを下げることができるため、年配で体力が衰えてきた方や、基礎疾患をお持ちの方などはぜひ一度医師までお気軽にご相談いただければと思います。
当院でも、帯状疱疹ワクチン「シングリックス®️」をお取り扱いしております。
接種をご希望の方はもちろん、接種すべきかどうか相談したいという方もお気軽にご相談ください。
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