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閉経後の女性は高コレステロール血症に注意!

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閉経後の女性が高コレステロールによる脂質異常症を引き起こしている様子。
2025.12.01
  • コラム

閉経を迎える40〜60代の女性は、ホルモンバランスの変化により体のさまざまな不調が現れやすくなります。中でも特に注意したいのが 高コレステロール血症(脂質異常症)


これまで健康診断で問題がなかった女性でも、閉経後を境に急にLDL(悪玉)コレステロールが高くなることは珍しくありません。

 

この記事では、閉経後の女性がなぜ高コレステロール血症になりやすいのか、そのリスクと予防法についてわかりやすく解説します。

 

閉経後にコレステロール値が上がりやすい理由

閉経後にコレステロール値が上がり、脂質異常症を引き起こすリスクが高まるのには、下記のような原因が考えられます。

 

● エストロゲン低下による脂質代謝の変化

閉経後、女性ホルモン「エストロゲン」が急激に減少すると、これまでエストロゲンが担っていた LDLコレステロールを下げる働き が弱まります。


その結果、LDL(悪玉)コレステロールが増え、HDL(善玉)コレステロールが減るなどして、脂質バランスの悪化が起こりやすくなります。

 


● 内臓脂肪がつきやすくなる

エストロゲンの減少は代謝の低下や太りやすさにも直結。


特に閉経後は、 内臓脂肪型肥満 が増えやすく、これがコレステロール値上昇に拍車をかけます。

 

● 運動量の低下

50代以降は生活パターンの変化により運動量が減ることが多く、脂質代謝の低下を招く要因になります。

 

高コレステロール血症が引き起こすリスク

高コレステロール血症が引き起こされることで、さまざまな危険な病気の発症リスクが高まってしまいます。

特に下記のような疾患には注意が必要です。

 

● 動脈硬化が進行しやすい

LDLコレステロールが過剰になると、血管の内側に付着して 動脈硬化 を引き起こします。閉経後の女性は、動脈硬化の進行スピードが速くなる傾向があります。

 

● 心筋梗塞・脳梗塞のリスクが急増

閉経前の女性は男性より心疾患が少ないとされますが、閉経後は一気にリスクが上昇。これは高コレステロール血症と動脈硬化の進行が大きく影響しています。

 

● 肥満・高血圧・糖尿病の併発

脂質異常は、生活習慣病の悪循環を引き起こし、高血圧・糖尿病・脂肪肝などの発症リスクも高めます。

 

 


どんな人が特に注意すべきなのか?

以下に当てはまる場合は、閉経後は特にコレステロール対策が必要です。

  • 家族に高コレステロール血症の人がいる
  • 若い頃から太りやすい
  • 運動習慣がない
  • お菓子・揚げ物・脂身の多い肉が好き
  • 健康診断でLDLが130mg/dL以上と指摘された

1つでも当てはまる人は、早めの対策を心がけましょう。

 

閉経後の女性が今日からできる予防・改善法

閉経後の女性が高コレステロールによる脂質異常症を発症しないためには、下記のような予防のためのアクションを行うようにしましょう。

 

1. 食事改善でLDLを上がりにくくする

以下のような食材はLDLを上げやすいので、摂取量を控えるように心がけてください。

  • 揚げ物・スナック菓子
  • バター・生クリーム・洋菓子
  • 肉の脂身・加工肉
  • トランス脂肪酸を含む食品

 

反対に、以下のような食品には EPA・DHAや食物繊維が豊富に含まれており、積極的に摂取することでコレステロール値を下げることが期待できます。

  • 青魚(サバ、イワシ、サンマ)
  • 野菜・きのこ・海藻
  • 大豆製品
  • オリーブオイル
  • ナッツ類

 

2. 有酸素運動を習慣にする

ウォーキング・水泳・サイクリングなどの有酸素運動は、HDL(善玉)コレステロールを増やし、脂肪燃焼にも効果的です。


まずは1日30分、週3〜5回 を目安に、無理なく続けられる運動習慣を身につけることを心がけてください。

 

3. 体重管理を意識する

内臓脂肪が増えるとLDLが上がりやすいため、脂質異常症を発症しやすくなります。

日頃から体重測定やウエストの測定をご自身でも行い、健康状態に変化がないかこまめに確認しておくようにしましょう。

 

4. ストレスをためない生活

ストレスはホルモンバランスを乱し、暴飲暴食につながることもあります。

睡眠をしっかりとる、趣味時間を確保する、瞑想やヨガで心身の状態を整えるなど、自分に合ったストレス対処法を身につけておくことも大切です。

 

5. 定期的に健康診断を受ける

閉経後は毎年の健診を欠かさず受け、コレステロール値の変化を早めに把握することが大切です。


検査結果によっては、必要に応じて薬物治療等を始めていき、脂質異常症による健康状態の悪化を早期に防いでいきます。

 

閉経後のコレステロール値は定期チェックを

閉経後はエストロゲンの減少により、どうしてもコレステロール値が上がりやすくなります。

しかし、食生活の見直しや適度な運動、体重の管理、定期的な健康診断によるコレステロール値のチェックを行うことで、動脈硬化や心筋梗塞のリスクを大きく減らすことが可能です。

 


当院でも、コレステロール値や動脈硬化度合いの測定といった、閉経後に定期チェックしておきたい検査を実施しております。

今までコレステロール値で指摘されたことがなかった方でも、閉経後に突然数値が上がってしまったり脂質異常症を指摘されたりするケースも少なくありません。

毎年一度は、定期的に検査を受けておくように心がけましょう。

 

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