パンケーキ症候群で救急搬送……。梅雨時期に注意すべきアレルギーとは
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- コラム
アツアツふわふわ、子どもから大人まで多くの人に長年愛されているパンケーキ。しかし、梅雨の時期はパンケーキ症候群に注意しなければならないと言われています。
この「パンケーキ症候群」とは一体なんなのでしょうか?
今回は、梅雨時期に注意すべき「パンケーキ症候群」について詳しく掘り下げていきます。
パンケーキ症候群とは
パンケーキ症候群とは、パンケーキやお好み焼きなどの小麦粉でつくられた料理を口にした際、パンケーキの元となるパンケーキ粉や小麦粉のなかに増殖した大量のダニを体内に取り込んでしまうことでアレルギー反応を起こしてしまうことを言います。
ここでのアレルギー反応というのは、小麦粉自体に対するアレルギーではなく、小麦粉の中で繁殖したダニによるアレルギー反応のことを指し、ダニが繁殖しやすい梅雨時期特有のものです。
基本的には少量のダニが体内に入るだけでは、アレルギー症状は発症しません。しかし、繁殖したダニを一気にパンケーキやお好み焼きといった料理として体に入れてしまうと、ひどい場合は意識障害や呼吸困難などのアナフィラキシー症状をきたしてしまう恐れもあるほど、危険な症候群です。
パンケーキ症候群が起こる原因
パンケーキ症候群は、先述したとおり小麦の中で増殖したダニを口にすることで発症します。
よって、小麦粉やパンケーキ粉などの袋を開けっぱなしにして常温に放置して、それを料理をつくる際に使用してしまうことが原因になります。
もちろん、開けっぱなしにした小麦粉を常温放置するのは危険ですが、繁殖のしやすさには時期も大きく影響しています。
梅雨時期〜夏にかけては湿度・温度ともに高くダニや菌が発生しやすいので、この時期に特化してパンケーキ症候群を発症する人が増えるのです。
パンケーキ症候群の症状と対処法
パンケーキ症候群では、いわゆるアレルギー症状としてよく見られる喘息症状や腹痛、蕁麻疹、さらには意識障害や呼吸困難といったアナフィラキシーを起こす可能性もあります。
このとき、すぐに行ける病院が近くにあれば、急いで病院の処置を受けてください。
また、アナフィラキシー治療薬である「エピペン」を持参している場合は、順序に沿ってエピペンを投与してください。
エピペンは、パンケーキ症候群に限らず、他の食物アレルギーや虫刺されなどのアレルギーによるアナフィラキシーに対しても即効性のある治療剤になります。
投与後はもちろんすぐに病院への診察に行く必要はありますが、命を守るための急ぎの対処としてエピペンは非常に心強い治療剤です。
日常生活を過ごすにあたり、全てのダニを生活空間から取り除くというのは不可能です。
しかし、アレルギー症状をなるべく起こさないようにある程度清潔に保っておく必要があります。
例えば、梅雨時期はいつも以上にこれらの行動を意識して実践してみてください。
・床や棚はこまめに水拭きをし、水拭きをした上で掃除機をかける
・こまめに布団を干したり、布団乾燥機にかけたりする
・食品は封を開けたらなるべく食べ切るか、食べきれないものは密閉して冷蔵庫に保存する
当院ではエピペン処方、アレルギー検査に対応しています
当院では、アナフィラキシー治療薬として効果のあるエピペンを取り扱っています。
お子様向け、大人向けそれぞれを用意していますので、元々アレルギーを持っている方はもちろん、もしもの急なアナフィラキシー対策に、お守り代わりとしてエピペンを持参しておくのもとても安心できます。
エピペンを使ったことがない人でも、エピペンの使い方は練習用のキットを用いながら、医師と一緒にマスターすることができるので安心してください。
また、ご自身がどれくらいのアレルギー症状を持っているのかをチェックできるアレルギー検査も院内で受けていただけます。
エピペンの処方をご希望の方、アレルギー検査をご希望の方、あるいはアレルギーに関するご相談やご不明点がある方は、お気軽に当院までご連絡くださいね。
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