台風シーズンは要注意?!頭痛の種類と対処法
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- コラム
夏から秋にかけては、台風がよく発生しやすい時期ですが、毎年この時期になると頭痛に悩まされる方は多くいらっしゃいます。
ガンガンと片側が痛む頭痛や、頭の後ろが重い感じがする頭痛、音や光に過敏になる頭痛など、その症状はさまざま。
今回は、頭痛の種類とそれぞれの対処法について解説していきます。
頭痛には大きく分けて2種類ある
まず、頭痛というのは、何らかの病気がある場合に発生する「器質性の頭痛」と、脳には特に異常がないにもかかわらず発生する「機能性の頭痛」の2種類があります。
それぞれの頭痛の例としては、以下のとおりです。
器質性の頭痛・・・くも膜下出血、脳腫瘍など
機能性の頭痛・・・片頭痛、筋緊張性頭痛、群発頭痛など
器質性頭痛には脳の出血が原因となるものが多く、これらは早急に治療を行う必要があります。しかし器質的な頭痛を発症する割合は、頭痛全体と比較したときにそれほど多くありません。
一方、機能性の頭痛には、気圧の変化などで痛みを感じる人も多い「片頭痛」や肩こりなどからくる緊張性頭痛、片側の目のまわりを中心に強い頭痛が生じる群発頭痛などがあります。
これらは危険性が高いケースは少ないものの、発症する人の数が多く、多くの人がこの機能性頭痛によって悩まされていると言えます。
器質性頭痛だと思ったら、直ちに医療機関で検査を
まず、器質性頭痛だった場合にはどのような痛みや症状が出るのでしょうか。
直ちに医療機関を受診して欲しいのは以下のような痛みです。
- これまでに感じたことがないような突然の強い痛み(ハンマーで叩かれたような痛み)
- 40歳以上の方で、首の後ろに痛みを感じたり、意識がボーッと遠のく感じがする
- 慢性的に頭痛が続いている
もちろん、全ての頭痛が危険であるとは言い切れませんが、上記のような痛みがある場合は、危険性の高い状態になっているケースが多いです。
また、それほど痛みが強くなくとも慢性的に頭痛が続いている場合は、動脈瘤(血管のこぶ)や脳の腫瘍など危険な頭痛の原因が含まれている場合があります。
このような症状がみられる場合は、医療機関で医師の診察を受けることを推奨します。そして、精密検査が必要と判断された場合は、CTやMRIで頭部の画像検査を行ってください。
機能性頭痛なら原因を見つけ出し、薬をうまく活用する
器質性頭痛の症状に当てはまらない場合は、機能性頭痛である可能性が高いです。また、女性の場合は生理前に生じる頭痛(月経前緊張症)である可能性も考えられます。
最近では、スマートフォンやPCの長時間使用で発症する眼精疲労が原因となる頭痛も増加傾向にあります。
「これらの頭痛は器質性頭痛のように脳に異常があるわけではないし、安全かな?」
と思うかもしれませんが、決して油断はできません。
直接的に命の危険が出てくることは稀ですが、一度発症すると数日〜1週間程度頭痛が続いたり、繰り返し発症する特徴があります。
長い期間頭痛が続くと、外出はおろか起き上がることさえも困難になることがあるので要注意です。
ご自身のQOLが低下してしまいかねませんので、放置するのではなく医療機関で適切な対処法を相談することをおすすめします。
そこで有効なのが、機能性頭痛の症状に合わせて、適切な飲み薬を活用することです。
機能性頭痛に関する飲み薬にはさまざまな種類が用意されていますので、自分の頭痛のタイプに合わせた薬を医師と相談しながら見つけて服用すれば、症状はかなり改善されることが多いです。
一点、注意ポイントとしては、頭痛が強くなってからではあまり薬は効き目を発揮しません。痛くなりそうだなという初期段階で早めに薬を飲んでおくことで、症状を抑えることができるので服用のタイミングだけ注意しましょう。
頭痛をなるべく起こさないために
器質性頭痛を予防するために最も重要なのが、血圧の正常値をキープすることです。
高血圧の方は特に意識していただきたいのですが、食事で取り入れる塩分をなるべく減塩する習慣をつけてください。一気にやり始めようと思うとハードルが高くなるかもしれませんので、1週間でどれくらい減らす、3日間でどれくらい減らすといったスモールゴールを設定しながら取り組むことをおすすめします。
一方、機能性頭痛の予防としては、とにかく頭痛を悪化させる要因を取り除くことです。
ストレスや睡眠不足は頭痛の悪化要因ですので、まずは規則正しいリズムで毎日過ごすことを心がけてください。
また、長時間のデスクワークやスマホでの動画視聴によって眼精疲労や肩こりが関係した頭痛が増加しています。こまめに目を休めることや、ディスプレイや座面の高さの調節を行うことも眼精疲労による頭痛の軽減に繋がります。
日頃からできる頭痛対策を実践することで、ご自身の健康はご自身で管理していきましょう!
もしも症状がいつもより強い・もしくは悪化している場合は、お早めに医療機関へご受診ください。
当院でも頭痛に関する診療が可能ですので、不安な方はお気軽にご相談くださいませ。